奥村土牛記念美術館(耐震改修)
『谷あいの集落にたたずむ近代化の遺構に光を当てる』
この美術館は黒澤合名会社の社屋として建てられたもので、昭和2年に完成した。
和洋折衷様式の貴重な建物は黒澤家から旧八千穂村(現 佐久穂町)に寄付され、平成2年に奥村土牛記念美術館として開館した。
文化財耐震改修の5原則に即し、建物の原型を損なうことなく必要最小限の補強と既存壁意匠を復原する補強方法を採用し、建物の内外に補強部材が見えない工法で、昭和2年完成当時の空間を再現している。
歴史的価値のある建築物を耐震補強して現代に甦らせることで、美術館が建つ佐久穂町穂積地区固有の景観や建築に光を当て、更には次世代に「まちなみ」が引き継がれることを願う。
■所在地:長野県佐久穂町
■竣工年:2024年(1927年完成)
■延床面積:813.55㎡
■構造:木造
■階数:地上2階
■受賞歴:第17回長野県建築文化賞
既存ストック活用部門
最優秀賞(県知事賞)