小林古径記念美術館
吉田五十八が設計した日本画家小林古径の住宅を東京都大森から上越市に移築復原したのが平成13年の約20年前。本計画はその復原事業から美術館整備に至るまでの全体が構築されている。古径の人間性から感じ取るものは「寡黙さ」である。美術館はその人柄を表すような多くを語らず控えめで端正な佇まいとし、その実体が主張しすぎないものとしている。雪国に見られる雁木を連続し、地域性や公園の場所性を意識した外観としている。作品鑑賞の場、作品制作の場、日常生活の場という「古径の世界」を一貫して展示鑑賞できる美術館としての価値を最大限に活かした全体構成としている。東端の二ノ丸ホールは、「美術館の離れ」「庭園の東屋」のような寄棟の建築とし、四方向への眺望と多様な活用がしやすい空間としている。
■所在地:新潟県上越市
■竣工年:2020年
■延床面積:809.67㎡
■構造:鉄筋コンクリート造、
一部 鉄骨造、一部 木造
■階数:地上2階
■受賞歴:令和3年度長野会建築賞作品賞
最優秀賞
令和3年度日事連建築賞国土交通大臣賞